今年に入ってから、あまり実家に近寄らずにいた。
助けを求めても、笑顔で断られたり
さっと手を出して引っ込めるような
母の対応を見るのも嫌になってしまったのだ。
心配した父が、時々電話してくるようになった。
祝日は子守の必要はないか?→有休使ってます。
お米は足りているか?→なかなか減らないです。
など、一生懸命に何か理由を探して、来てほしいようで。
少しは嬉しいけれど、複雑な心境。
これまでも、ずっと母は私の事など慮ることはなかった。
パニック障害という大きなダメージがそれを浮き彫りにし
その事実と何年もかけて向き合って
期待して、裏切られて、でも期待して、また裏切られる、を繰り返してきた。
親に期待をするのは、やめられないものなのだな、と
しみじみ思うのだが。
少しづつ、心の距離を取ってきて、やっと期待が薄れた今日この頃。
上の子供たちに会ってきた。
タイミングがあってしまったので、母も一緒に。
もう高3と高2にもなると、確実に半人前を超える。
対等に話もできる部分もある。
しかし・・・
一瞬、不登校の引きこもりになりそうになった長男が
「父ちゃんが、怒らないで説得してくれた」と嬉しそうだった。
今まで散々な言われ方して怒鳴られ詰られていたのに
やっぱり長男も父親に期待していたのだ。
なぁ~んだ。
結局は生みの親より育ての親だよね。
寂しい。
そんな感じの帰り道・・・
突然に母が「あたし、ひとつだけ後悔してるのよ」と切り出す。
一つだけじゃなくて、色々後悔したほうがいいよ。と思う私。
「あんたのさ、離婚の時にさ・・・ほら、調停の最後の回にさ・・・
一緒にいればよかったと思って。
そうしたら、子供たちを手放さないで済んだかもしれないじゃない?」
は?
「いや、でも、調停で合意できないと裁判だし、弁護士も雇えなかったし・・・」
と言う私を遮って、母が言う。
「だからさ、弁護士を雇ってもいいって、言ってあげれたかもしれないでしょ?」
へ?
何を、この人は・・・偉そうに言ってんだ?
あの当時、私を散々馬鹿にして「土下座したら弁護士雇ってくれるってよ」と
本当か嘘かわからない父からのメッセージを冷やかしのように言った人が
何を言ってるんだろう・・・・
昔、家の鍵を忘れて家族の帰りを待っている時に
薄暗くなった家の裏の自転車置き場で
隣家から聞こえる夕食の支度や父親と子供たちがお風呂に入っている
暖かそうな音を聞きながら無意識に涙が流れ
無風の何も無い水面に一滴の涙が落ちて、その波紋がゆっくりと何層も広がってゆく
そんな明確な映像イメージと共に静かに強く認識した感情が
後に「孤独」だと知った時のように
心が凍っていく微かで透明感のある音がした。
意外と、綺麗な音なんだな・・・なんて思いつつ。
「子供たちにとっては、どっちかの親がいなくなるんだから、どっちでも同じことだよ」
と、上手に締めくくった私。
その後も母の口からは不思議な言葉が出続けた。
「〇〇さん(元夫)も、説得できるくらい丸くなったんじゃない?」
・・・彼がモラハラ夫だと、絶対に信じなかったあなたが言うか。
「子供たちが巣立って行ったら再婚でもすればいいのに」
・・・大きなお世話だろう。
「ねえ?」
・・・離婚(=彼を否定)した私に同意を求めるのか!
「離婚して子供が巣立って、生活の不安から再婚する女性って多いのよ~
だけど、いろいろ大変でね・・・(ここから母の友人の体験談)
あんたも老後のことはしっかり考えなさいよ」
・・・いや、もう、あなたに実家を追い出されなかったらスゴイ貯金出来てたよ。
とかなんとか。
とっても疲れたのだけれど
一ミリも傷ついていない自分を、偉いなって思う。
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