あの悪魔に出会ったのは、去年の3月だった。
もっと、ずっと前の事のように思う。
入社して間もない頃からシンマザであり両親から自立を促されていた私は
社員になりたいという希望を上司に言い続けてきた。
短いと半年、長くても3年で上司が変わる職場で
4年ほど・・・10時過ぎまで残業したり盆も正月も感謝祭も休まず働いて
幼い子供には寂しい思いをさせてしまったが
社員になるために突きつけられた条件も
引っ越ししたりテストを高得点でパスしたりと、クリアしてきて
代行者が不在時の代行や指示出しや鍵持ち等
社員になるための仕事も貰えるようになったのだが・・・
悪魔がやってきて、あっという間に私から全てを奪い
悪魔が気に入った後輩に与えて
彼らが社員になって、私の居場所が無くなった。
まるで入社したての頃のように清掃や一般作業のみ。
屈辱だった。
目の前で後輩に「社員になって」と言って
私を振り返って「あれ?どうしたの?顔色悪いよ?」と言った
あの悪魔の笑顔は今でもはっきりと思い出せる。
しかも、言われた後輩が「別に社員になりたくないのに」って言う
これって、昼ドラか何かですか?っていう状況で
他の上司に相談しても、上司の上司に相談しても
本社の人が来ても、何も解決しなかった。
それどころか、私に社員のチャンスが巡ってきた時も
悪魔は私にだけ指導もせずに「全然ダメ」の一言を放って
エンターキーを叩いて私のレポートを送信するという悪魔っぷり。
同僚も後輩もわかっていたけど、何も出来ずに一歩引いて
上司に至っては「我慢するしかない」と言い
かの悪魔が去ってからは誰もがその事を忘れていた。
私がパニック障害であることから、上司の上司は
「あなたの思い違いではないのか?」と言った。
よくあることだ。
あってはならないことだが、よくある。
こういう事情があって、私自身が上司を信じないから
今となっては、何も望みを言えない。
無事に社員になれたから、いいかなって思うことにして
掃除と一般業務。
私の目の前で社員になってと言われたAは
その後も、上司に気に入られて自分の欲求を口に出して実現して
今は私の上司で、偉そうに闊歩している。
実は、仕事の覚えが悪くて、何でも人に聞いてこなすんだけど
自覚がなくて、自分は仕事が出来ると思い込んでいる、可哀想な人。
まあ、それでも上に立てるんだから、たいしたもんだ。
私は去年の3月からずっと、辛い思いをしてきた。
悪魔は半年で去ったけど、何度も悪夢にうなされて
時々無性に上司になった後輩たちが憎くなり
何もしてくれなかった上司に腹が立つ。
遠巻きに見ていて「嫌なことは忘れな」って言った同僚にも
吐き気を覚えることがある。
仕事を続けられれば、それでいい。
もう、何も望みはしない。
一つだけ、望むなら・・・掃除は流石に卒業したいかな。
と言うようなことを、AにAが社員になった部分は言わずに話したら
大げさに驚いて、まさか自分が私の役目を戴いたとも知らずに
「もっと●●がしたいって言いなよ!」なんて言ってくる。
大きな怒りも今更感じないけど、気持ちが悪かった。
何も知らないって、いいね。
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